甲類焼酎、乙類焼酎とは?
焼酎は、洋酒でいうところのウイスキーやウォッカなど、蒸留酒の仲間です。(蒸留酒とは穀類を主な原料に使用し発酵させた後、蒸留して造られるお酒のこと)日本を代表する「焼酎」とは甲類、乙類という2種類に分けられます。
- 甲類焼酎
- 連続式蒸留器によって製造され、無味無臭の純アルコールに近い味。サワーや烏龍茶などで割って飲むのに向いている。
- 乙類焼酎
- 伝統的な単式蒸留器によって製造されるもの。原料に由来する香り・味がそのまま残り、風味豊かな味わいが楽しめる。
単式蒸留器は昔から使われている蒸留器のことですが、連続蒸留器は近代的な蒸留設備で、甲類焼酎や原料用のアルコールなど純度が高いアルコールを精製するために作られました。
ウイスキーなど西洋の蒸留酒は単式蒸留器で蒸留するもの、連続式蒸留器で蒸留するもの、そして1回だけでなく2回以上蒸留を繰り返すものなど製法は様々です。
本格焼酎の造り方
- 1.製麹(せいきく)
- 麹の原料(米や麦など)を蒸して麹菌をまぶし、原料に菌を繁殖させます。約2日間かかります。
- 2.一次仕込み
- 麹に水、酵母を混ぜて約一週間発酵させる行程で、清酒造りがいう酒母にあたります。麹や一次もろみの出来は、酒の良し悪しがわかれる重要な行程です。
- 3.二次仕込み
- 蒸した主原料(芋焼酎であれば芋、米焼酎であれば米)を一次もろみと合わせます。約二週間発酵させます。
芋焼酎では特に芋の質には気を使い、腐った部分やいもづる、ヘタなどの味に良くない影響を与える部分を削り取ります。
その後大きな蒸し器に入れて蒸し、砕いて二次仕込みに使います。 - 4.蒸留
- 発酵の終わったもろみを単式蒸留器で蒸留します。もろみには原料ならではの色が着いていますが、蒸留された液体は透明です。
- 5.熟成
- できたばかりの原酒は荒々しいので、数ヶ月熟成させて味に落ち着きをもたせてから出荷されます。
- 6.瓶詰め
- 焼酎の原酒は原料にもよりますが、アルコール度が36~44度あるので出荷する度数まで割り水します。
地域による焼酎の特徴
- ■鹿児島
- サツマイモの生産が盛んなことからサツマイモで造られた焼酎の大生産地です。
- ■宮崎
- 大手のそば焼酎が有名ですが、そばの他にも様々な原料で焼酎は造られています。大分県よりの県北部は麦、鹿児島県よりの南部は芋焼酎が多いようです。他には珍しい栗焼酎を造る蔵もあります。
- ■熊本
- 生産指定を受けた「球磨焼酎」が有名ですが、熊本の球磨地方で造られた米焼酎のことを指します。特にお米の産地の球磨地方では狭い地域ながらたくさんの米焼酎蔵が集まっています。
- ■長崎県壱岐島
- 「麦焼酎発祥の地」ともいわれています。今では輸入麦を使うことが多いのですが、昔は麦の栽培が行なわれていたので、麦で造った焼酎が伝統的に飲まれていました。壱岐の麦焼酎の特徴としては、麹を米で造り、米と麦の原料の割合が1対3であることです。他の地域では麦焼酎の麹は主に麦で造られます。
- ■大分、福岡
- もともとは清酒の産地でしたので酒粕焼酎などが古くは造られていたようです。現在は麦焼酎が主流です。大手メーカーのイメージから特に大分は麦焼酎の生産地として有名です。
- ■奄美諸島
- 黒糖と米麹を原料にした黒糖焼酎が造られています。黒糖が原料の蒸留酒といえばラムですが、米麹を使うことでラムと区別されています。
- ■沖縄
- 泡盛が有名ですが、これも焼酎の仲間です。「泡盛」とは「沖縄で造られる米焼酎」のことと理解した方がわかりやすいかもしれません。
本土の米焼酎と違う点は、
【1】タイ米で作った米麹だけで、一段仕込みされた醪を単式蒸留器で蒸留したもの
(通常の米焼酎は米麹で仕込んだ一次もろみに蒸し米をかける二段仕込みで造られます)。 【2】麹菌は沖縄に古くから伝わる黒麹。
という点でこれらの基準を満たしたものは「本場泡盛」とラベルに表示できます。
これ以外の製法で造られたものは「本場」とは付けられず、「泡盛」だけの表示になります。
「本場泡盛」の表示ができない例(一例)
・白麹の場合。
・原料製法は同じだが国外で造られた場合、などなど。
これらの場合は「本場」文字は付けられません
文責:大海酒造 沢田貴幸