商品カテゴリー

日本酒の製造工程

日本酒の製造工程

~第一作業:精米・洗米・浸漬・蒸米~

日本酒は何から出来ているの・・・?? なんていう疑問は愚の骨頂!!っと思われる方もいるかもしれませんが、ちょっとだけ我慢してお付き合い下さい。 日本酒の主要原料=「米」。このことは知っていても、ではその「米」が「酒」になるまでに、どのような工程を経ているのか、詳らかに説明できる人間はそう多くはないのではないでしょうか? ここではその「米」が「酒」になるまでを代表的な手順を引き合いに、説明していきたいと思います。

まずは、日本酒に用いられている「米」ですが、これは一般に「酒米(さかまい)」もしくは、「酒造好適米」と呼ばれるもので、普段私たちがお茶碗によそってモグモグと食べているアレとは少し違います。簡単に言ってしまえば、「お酒を造るために栽培されたお米」という事ですね。このお米は、日本酒の仕込みに使用されるだけではなく、「麹」や「酒母」等にも使用されます。 まさに、「酒米」は日本酒の産みの母なのです。 さて、食用の米を精米してから炊くのと同じように、酒米も精米の過程を踏みます。食用の白米の精米度が10%とだとすると、酒米はその5倍、50パーセント程度も削ってしまいます。(大吟醸酒は精米歩合50%以下) 精米された酒米はその後、「洗米」(呼んで字のごとく、水で洗われるのですね)され、水分を含ませるために「浸漬」(水の中にひたひたに浸します)し、そして「蒸米」(お餅を作る前にもち米を蒸すのと同じ作業ですね)という工程を経ます。 こうして出来た「蒸米」が、麹造りや酒母造り、もろみ造りといったそれぞれの作業に使用されることになります。

~麹造り~

麹といえば麹町しか知らないよっと言う方から日本酒といえば麹が命でしょうっという方まで・・・。 ここでは日本酒造りに欠かせない「麹造り」の過程を説明します。

「麹造り」は酒造りをする上で最初にして最大の難関!!とよく言われます。それは、この「麹」が日本酒の酒質や味わいを決定付ける重要な要素だからです。 「酒米」が日本酒の産みの母であるなら、麹によって作られる「麹米」は日本酒の赤子といったところでしょうか。 蔵人たちはこの赤子を大切に大切に育てます。

いくら酒米が日本酒の原材料だとはいっても、お米がいきなりアルコール飲料に変化する!!なんてことはありえません。(当たり前です!) まずは、米の中にある「デンプン」を「ブドウ糖」などの糖分に変え、その糖分をアルコールにしていく・・・。 この「デンプン」を糖分に変える時に必要になってくるのが、「麹」なのです。さらに詳しく言うのであれば、必要なのは、「麹菌」がつくる「酵素」。(おっとなんだか理科の授業みたになってきましたね・・・文系の人間としてはつらいところですがしばしの辛抱を!)

「麹菌」を酒米に付着させ、「麹米」を作るという過程は、種麹を使って行われます。 ちょっと整理してみましょう。 まずは、各々の酒蔵が、かなりの種類がある「種麹」の一つを種麹店から仕入れてきます。(種麹はもやしとも呼ばれるもので、黄麹が付着した玄米などの事をいいます) それから、杜氏が31度前後に室温が保たれた製麹室(せいきくしつ)の中で蒸米の上に種麹を静かにふりかけていきます。(満遍なく満遍なくはらはらと・・・) 種麹がふりかけられた蒸米は一度丁寧に手で裏返され、再度種麹をふりかけられます。(麹菌が付着する部分にムラが出来るのを避けるためですね) こうして満遍なく麹菌が付着した蒸米はまとめられて、布などをかぶせられ、麹菌の増殖を促されます。(生まれたての赤ちゃんをすやすやと休ませてあげているカンジです) この製麹室(せいきくしつ)の温度管理はとても重要!!麹米の温度が上がりすぎないよう、均一になるように、蔵人たちは最新の注意をはらうのです。

こうして出来上がるのが、「麹米」。さて、この「麹米」が「米麹」になっていきますよ~!!(ややこしっ!!)

種麹をふりかけられて布をかぶせられていた麹米は、だいたい12時間から24時間後(蔵によって時間は変わっていきます)にパラパラとほぐされます。この作業を、「切り替えし」と呼びます。

~ここからは吟醸酒のみに施される過程です~

切り替えしの作業後、吟醸酒用の麹の場合は、麹米を麹蓋と呼ばれる小さな箱に入れて温度管理をさらに促します。この作業を「盛り」といいます。麹蓋は2枚一組。上にかぶせる蓋(というか箱)は空です。この空蓋の表裏を変えることで、空気の層の厚さを調整し、菌の増殖をコントロールします。(繊細な作業ですね~)

「盛り」の作業を行った後、麹米の温度をみながらだいたい6時間に1回程度(これも蔵や状況によって変わります)麹米を攪拌(かくはん;バラバラと混ぜる)したり、積み重ねてある麹蓋の上下を入れ替えたりします。この際、麹菌が増殖するのに伴い炭酸ガスが発生するのですが、それがさらに菌の増殖を促してくれるのです。ここで、「いけいけどんどん!!増えろ菌!!」・・・・っと喜んでばかりいてはダメ!この作業の過程で、熱が発生するので、増殖が進みすぎたりもするのです。「過ぎたるは及ばざるが如し!?」です。増殖の進みすぎを防ぐため、温度が上がり過ぎないように、麹蓋の積み替えや攪拌を繰り返します。この作業を「仲仕事」と呼びます。

麹菌が蒸米に纏わり付き、半透明の蒸米から白米のような見た目になり、そこから切り替えし(吟醸酒では仲仕事を挟む)を終え、麹米の中まで麹菌の菌糸が入り込んでいくと(これをはぜ込みという)・・・甘い芳香を放つ、「米麹」の完成です!!

こうして大事に大事に育てられた箱入り娘の「米麹」は、晴れて製麹室から外に出されます。ここで、冷やされる事により、菌の増殖をストップさせるのです。これを「出麹(でこうじ)」と呼びます。

さて、無事に外へ出た箱入り娘、「米麹」ちゃんの嫁ぎ先はどこへ・・・!?

~日本酒の育ての母、酒母~

さて、日本酒にはそこそこ詳しいんですのよワタクシ。という方も、酒母造りを詳しく説明してくださいといわれると、「うっ!!」っとなってしまうのでは・・・?(いや、出来るけど。っという方も、どうかお付き合いの程を・・・) 「酒母」というのは、別名「もと」。良く、「生もと」とかいう言葉を聞きますよね。 この「酒母」、酒の母と書くだけあって、「酒母」がなければ日本酒を造る事は出来ません。 では、この「酒母」は、日本酒作りにおいて一体どんな役割を果たすのでしょうか?ざっくりいってしまえば、「酒母造り」の最大の目的は優良な「酵母」を産み出すことにあります。 「酒母」だの「酵母」だのワケわかんない!!っていう方。もうちょっと我慢してくださいね。「酵母」というのは、糖分をアルコール分に変える、日本酒には欠かせない微生物の事。 日本酒造りは微生物との共存・殲滅戦争と言い換えても過言ではありません。(大げさ!?) 不必要な微生物を殲滅しつつ、日本酒造りに必要な要素だけを増やしていく作業、それが「酒母造り」なのです。

「酒母」は大きく2つに分ける事ができます。 「速醸系酒母」と「生もと系酒母」です。

「酒母造り」は専用の容器(タンク)に水・米麹・蒸米を入れて造ります。このとき、「速醸系酒母」を作る場合はさらに乳酸も入れます。 「速醸系酒母」はその字からもわかるように、「速く酒母を作っちゃおう!!」という「酒母」。そのために、自然界にある微生物の力だけではなく、人為的な力を借りて微生物の活動を促すのです。「乳酸」を入れる事によって、自然界にある乳酸菌が酒母に入って乳酸を作る・・・という過程を省く事が出来るので、酒母を速く造ることが出来ます。また、自然界にある乳酸菌の中には、酒を腐らせてしまうものもありますが、人為的に最善の乳酸を添加する事によってこのデメリットを回避する事が出来ます。現在の日本酒作りは、この「速醸系酒母」が主流です。 一方の「生もと系酒母」ですが、こちらは江戸時代から行われてきた伝統的な手法です。「速醸系酒母」との大きな違いは、自然界の乳酸菌が乳酸を造ることです。そのため、「生もと系酒母」での造りは、時間も手間もかかります。「生もと系酒母」の中では、自然界の乳酸菌や雑菌、はたまた野生酵母などが延々と戦いを繰り広げていますが、やがて自然界の乳酸菌がつくった乳酸によって雑菌などが駆逐され、その後、自然界の乳酸菌が自信で作り出した乳酸により、乳酸菌も死滅します。その頃には、麹に含まれる酵素が糖分を増やしてきていて、酵母が増殖する条件が整ってくるので、この段階で、優良な酵母を添加し、酵母を一気に増やします。これが、「生もと系酒母」です。

酒母造りの過程ですが、 タンクの中に、水麹(水と米麹を合わせたもの。箱入り娘の米麹ちゃんはここへ嫁いで来たのですね)・蒸米、そして「速醸系酒母」をつくる場合は乳酸を投入して行われます。水麹の品温は10度ほど。米麹の酵素が溶け出しやすい温度なのです。 水麹に蒸米を入れる際は、隅まできちんとかき混ぜます。この作業を「荒櫂(あらがい)」といいます。

ここで、ブレイクタイム&ちょっと疑問!!

酵母を増やす作業が酒母造りの最大の目的だといいましたが、ではなぜ、そこに箱入り娘の米麹ちゃんが必要になってくるのでしょうか・・・?? 実は、酵母は糖分をバクバクと食べて、それらをアルコールに変化させるのですが、いかんせん、この酵母さんのお口はとっても小さいのです!! お米のデンプンやたんぱく質は、酵母さんにとって、「大きすぎてお口の中に入んな~い」っというカンジなのですね。 おちょぼ口の酵母さんのために、箱入り娘の米麹ちゃんは酵素をせっせと送り出し、その酵素が米のデンプンやたんぱく質を小さく小さく切り分け、酵素さんが食べられる大きさにするのです。 箱入り娘といえど、米麹ちゃん、嫁ぎ先では大活躍です!!

・・・酒母造りの過程・・・

酒母造りの間、タンクの中では、様々な微生物が勢力争いを繰り広げています。この勢力争いに最終的に勝利するのが優良な酵母であってほしいわけです。

作業その1『汲みかけ』
酵母を仕込んだ後、下の部分にパンチング状の穴が開いている、「汲みかけ器」と呼ばれるものをタンクの底まで差し入れ、底に溜まった酵素液を酒母の上部のほうへかけていきます。 こうする事で、効果的に酵素の働きを促進する事が出来ます。

作業その2『暖気入れ(だきいれ)』
お湯をいれた金属性の容器(細長い湯たんぽみたいなもの)を「暖気だる(だきだる)」といいます。この「暖気だる」で酒母を攪拌する作業の事を「暖気入れ」といいます。 酒母の品温をあげて、糖化を促進させる作用があります。

作業その3『櫂入れ』
液面より上に米などが盛り上がってきた場合、米をつぶさないようにしながら優しく押し戻してやるようにタンク内をかき混ぜます。この作業を櫂を使って行うので、「櫂入れ」と呼びます。

乳酸の働きによって、雑菌や野生の酵母が入り込まない状態になった酒母は、酵素がどんどん糖分を作り出し、投入された酵母は増殖していき、日本酒作りの準備を整え始めます。 優良な酵母を作り出すことが出来れば、野生酵母と違って、雑味が出たり、途中で発酵が止まる・・・なんていう事がありません。

~諸々ありましたがいよいよ本番、もろみ造り~

もろみ造りというのは、先に造っておいた酒母をもとに仕込水と蒸米をいれてアルコール発酵を行っていく造りのっことです。(蒸米はどの作業工程でも重要なんですね!) もろみ造りのタンクの中で行われているのは、

①米麹が作った酵素がデンプンを糖化させる ②酵母が糖分をアルコール化する

という二つの複雑な平行作業。

これを、「平行複発酵」といいます。(まんまですね汗;) この複雑な作用を蔵人はまるでわが子を育てるかのように手をかけ、神経を使い、作り上げていきます。 この時期の蔵の中は新鮮なアルコールの香りに満ちていて、匂いをかいだだけでほろ酔い気分になっちゃいそう! タンクの中でプツプツと湧き上がる泡は、発酵が盛んに行われ美味しいお酒を作り出している証拠。 発酵の具合を杜氏が見極めたら、いよいよクライマックスへ突入です!!!

~最後の瞬間まで気を抜かずに・・・上槽~

「上槽」とは、俗に言う、「搾り」のこと。酒造りの総仕上げの工程です。それだけに、緊張感はひとしお。現在は多くの蔵で自動圧搾機による上槽が行われていますが、昔は杜氏の指示が飛び交う中、蔵人総出で行う、緊張に満ちた作業でした。 現在、機械で上槽を行うのは、もろみの中に「おり」が出来にくく、安定した搾りが簡単に行えるから。 それでも、発酵の具合を見極め、上槽のタイミングを指示するのは杜氏。このタイミングにお酒の出来栄えの全てがかかってくるのですから、その緊張感たるや、想像を超えるものがあるのではないかと思います。

・・・豆知識・・・

搾り始めに出てくる酒の事を「あらばしり」、その後が「なかどり」、後半に圧力を強めて搾り出す酒を「せめ」と呼びます。 ラベルなどにも書かれていますよ~♪

上槽には様々な方法があります。一般的には先ほどの自動圧搾機による上槽が主流ですが、大吟醸酒など高価な日本酒で用いられる事が多いのは「袋どり」などと呼ばれる搾りです。 一つの袋に18?程のもろみを入れて口を縛り、その袋を二つ繋いでタンクの上に渡した棒に吊るします。全てが手作業。とっても手間のかかる重労働ですが、圧力をかけない方法なので、高品質の酒を搾り出すことが出来ます。 袋どりされた日本酒は、1斗瓶(18?入ります)に入れられ、日本酒の中に残った濁りなどを除去する「おり引き」という作業のために冷蔵庫へ入れられることが多いです。

~これで終わりと思うなかれ・・・瓶詰め・火入れ・貯蔵・ラベル貼り~

搾られた日本酒はすぐに出荷!!っとはいきません。早期出荷されるものもありますが、(搾りたてと呼ばれるものですね)多くのものが、蔵内の冷蔵庫で貯蔵されて出荷の時期を待ちます。 冷蔵庫で寝かされているうちに、旨味や切れ味など、酒質が整ってくるのです。

・・・千差万別 貯蔵の方法・・・

出来上がった日本酒を、62度~68度くらいのお湯に沈める事で微生物の殺菌や残った酵素を破壊する作業の事を「火入れ」といいます。通常は貯蔵前と瓶詰め前の2回行われます。 搾ったばかりの日本酒にはまだまだ酵素や微生物などが活動できる状態で残っていて、それが酒質や味わいに影響してくる事もあります。そこで、ぬる湯につけて殺菌するのです。 この「火入れ」を行わないものを「生酒」、瓶詰め前に一度だけ行うものを「生貯蔵酒」、貯蔵前に一度だけ行うものを「生詰め酒」と呼びます。

貯蔵の方法にも様々あり、先述の火入れも瓶詰めもされず、ゆっくりとした熟成を行う日本酒もあれば、瓶詰めされた上で酒質が整うのを待つ日本酒もあります。この方法の違いによっても、蔵独自のお酒の特徴がでてきて、非常に興味深いですね。同じ日本酒でも確実に味わいが変わるのですから。

さて、最後に薄化粧。瓶にラベルをペタっと貼られて、日本酒は出荷されていきます。

私たちの手元に届く日本酒は、それぞれの蔵がそれぞれにこだわりと誇りを持って作り出したお酒なんですね。 そんな蔵人たちの働きや、微生物さんたちの活躍にも思いを馳せながら・・・・乾杯!!

造りによる日本酒の違い

酒母造りの違い

酒母には生もと系と速醸もと系の2種類ある。さらに、生もと系は生もと仕込みと山廃仕込みに区分される。 生もと系は自然界の微生物(乳酸菌)から生成した乳酸を、速醸もと系は醸造用に培養された乳酸を添加する製法。

生もと仕込み
米を櫂棒で磨り潰す「山卸し」という作業を行う江戸時代に確立した伝統的な製法。生もと仕込みで育った酒母は強健で、アミノ酸を多く含み、濃厚で味わい豊かな辛口の酒造りに適している。手間隙かかる分、深い味わいを出す。

山廃仕込み
生もと仕込みの酒母造りの過程で「山卸し」という作業を廃止し、より効率化して造られる酒母を山廃もとという。山廃廃止を略して「山廃」と呼ばれているこの酒母造りは、明治時代、醸造試験場ががこの製造法を開発した。自然の中で培養・育成された強くしっかりとした味わいで、酸味の利いた仕上がりになる。

醪造りの違い

発酵タンクに酒母と蒸米、米麹、水を仕込んで酵母を増殖させ、アルコール発酵させる作業。 3回にわけ、4日かけて仕込む三段仕込みが一般的な製法。中には一段仕込み、十段仕込みなんてものも存在する。

四段仕込み
一般的な三段仕込み(蒸米、米麹、水を3回にわけて投入する)にさらにもう一度蒸米や酵母などを足して仕込む方法。 米が増えることによって甘口の酒に仕上がる。

貴醸酒
通常の日本酒は米100に対し、水130を使って造るところ、貴醸酒は米100に対し、水70と日本酒60を使って造る酒。 甘く独特のとろみのある酒で、甘味と酸味が調和して極めて濃醇な味わいになる。琥珀色になるのが特徴。

上槽の違い

醪を搾り、酒と酒粕に分ける工程。かつては酒袋に醪を入れ、上から徐々に圧力をかける槽(ふね)と呼ばれる装置が使用されていたが、現在は、圧搾機での搾りが一般的。

あらばしり
最初にほとばしり出る酒のみを詰めたもの。薄く濁っていて少し炭酸ガスがのこっていることから、程よい酸味がある。 フレッシュで弾ける様な華々しい香味と荒々しくもさわやかな旨味が特徴。

中取り
上槽の中頃にでる酒のこと。別名「中汲み」「中垂れ」ともいう。 この部分は酒質がもっとも良いとされていることから、鑑評会などの出展酒として使われることが多い。

責め(攻め)
最後に少し圧力を加えて出てくる酒。かなり練られた濃縮した味わいで、アルコール度は高め。別名「後取り」「押し切り」ともいう。 ブレンドされて出荷されることも多い。

直汲み
搾り口から直に瓶詰された酒。 心地良い酸が感じられ、まさにフレッシュでスッキリトした味わいを堪能できる。

にごり酒
醪を搾る際、ある程度目の粗い網や布だけでこすため、米の粒子などが浮遊して白濁した酒。醪のもつ自然な旨味とやわらかな飲み口が特徴。

袋吊り
醪を酒袋に入れ、自然の力(重力)で搾る酒。雑味のないきめ細かいキレイな酒質になる。別名「袋取り」「袋しぼり」「しずく取り」ともいう。

しぼりたて
上槽直後の白く濁った酒。袋吊りは必ずしも生酒ではないが、しぼりたては必ず生酒を使用する。

槽垂れ
槽に酒袋を置き、圧搾することなく自然に出てくる酒。 極めてあらば知りに近い酒。別名「亀口取り」ともいう。

滓引き・濾過の違い

数日間静置して白い浮遊物の滓を沈殿させ、透明な上澄みだけを取り除くことを滓引きという。滓引きした酒は濾過機を通して濾過し、完全に滓や雑菌を取り除く。

無濾過
フレッシュ感をそのまま味わえるようにとあえて濾過しないで出荷する酒。搾ったままのさわやかな香りとふくよかな米の旨味が感じられる無濾過独特の深い味わい。

滓がらみ
醪を搾った後、米の細かい破片やデンプンなどの滓引きをせずにそのまま瓶詰した酒や滓部分のみを詰めた酒。滓部分は旨味と香りのバランスが良く、濃厚で風味豊かな味わいになる。 別名「滓酒」「うすにごり」「ささにごり」という。

火入れの違い

日本酒の品質維持のために行う加熱殺菌のこと。通常醪を搾った後の貯蔵前と瓶に詰める前の2回行われる。酒を瓶に入れた状態で湯煎にかけ、風味や香味が飛ぶのを抑える「瓶燗火入れ」を行う場合もある。

生詰酒
搾った酒を貯蔵前に1回のみ火入れをして貯蔵し、程よく熟した頃に出荷する酒。出来るだけ生酒のフレッシュ感を味わうために生まれた。別名「後生(あとなま)」ともいわれる。

生貯蔵酒
搾った酒を火入れせずに生酒のまま貯蔵し、瓶詰する前に1回のみ火入れを行った酒。搾りたてのフレッシュな風味が特徴で、冷やして飲むのが一般的となっている。略して「生貯(なまちょ)」ともいわれる。

生酒
醪を上槽してから一切加熱処理を行わない酒。別名「本生」ともいう。口当たりがみずみずしく、口の中でふわりとした軽やかさと若々しさを感じられるのが特徴。新酒特有の風味と香味を持つ。

原酒
加水をしないで瓶詰した酒。通常アルコール度数が高く、オンザロックで飲むのも面白い。

貯蔵・出荷の違い

一般的に日本酒の醸造期間は冬から春先。しぼりたてや生酒で出荷もされるが、多くは半年から一年間、場合によっては数年間にわたって貯蔵される。

ひやおろし
春先に搾った新酒に一度火入れをし、夏を越すまで熟成後、秋口に出荷される酒。秋に出荷する酒は酒質が安定しているため、あえて2度目の火入れを行わず、「生詰」の状態で出荷する。別名「秋あがり」ともいう。

古酒
3年以上貯蔵されたものをさすことが多い。熟成中にさまざまな複雑味のある風味が現れ、紹興酒やシェリー酒に似た味わいになる。色合いも濃さもましていく。

樽酒
上槽後、杉樽に入れた酒。適度な杉の香りが酒に移り、清々しい風味になる。祝い事の席に出されることが多い。

斗瓶囲い
斗瓶に詰める酒は鑑評会出品酒や特別な大吟醸など、特別に手をかけたものが多く、貴重な最高品種の酒であることを示す。特に袋吊りで搾られた酒は、直接斗瓶に採取することが多く、そのまま低温で保存し、ものによっては一定期間寝かせて熟成させ、艶やかに味が出るのを待つ。最終的には斗瓶から直接瓶詰され、出荷される。別名『斗瓶取り』とも呼ばれる。